魔法のレッスンの秘密1

「魔法のレッスン」の一つの秘密は、渡部 由記子が「出来の良い生徒」ではなかったことです。

コンペティションや受験のために、曲に深く取り組むには、長期を見すえた練習計画が必要です。今の生徒さんのレベルを見極め、理想とするレベルにたどり着くまでの道のりを、即座に見極める分析力、そして、道のりを細切れのステップに分解して、今すぐに練習できる課題にまで落とし込む構成力。これらは、私が「出来の悪い生徒」ゆえに、体系化することができました。

私は、ピアノを始めたのが小学校3年生の終わりでした。ピアノの道に進む子どもにしては、遅いスタートでした。小学校の音楽の先生から「才能があるから」と勧められて始めたのですが、私自身はいわゆる「天才肌」ではありませんでした。しかも天才肌の先生に指導を受け、大変苦労しました。

先生に「こう弾いてみなさい」と言われて、それがすぐに真似できる子どもではありませんでした。先生は、ご自身の先生から「こう弾いてみなさい」と言われて、すぐに弾ける方だったのだと思います。それゆえ、なぜ私が先生の指示どおりに弾けないのか、理解に困っていらっしゃるようでした。

そこで、「自分の演奏と、先生の演奏はどう違うのだろう?」と懸命に分析しました。そして、「先生の演奏に近づくために、どのように練習すれば良いのだろうか?」と効率よく、効果の高い練習方法を考えるようになりました。

天才肌ではなかったがゆえの苦労が、今、「具体的で、すぐに使って効果が出る」と絶賛される練習法、指導法につながっていったのです。

このことは、生徒さんの指導だけでなく、ご指導者に指導法をお教えする上でも、たいへん役に立っています。

魔法のレッスンの秘密シリーズには、以下の記事もございます。

魔法のレッスンの秘密2「指の指定席」